3分で読める自作ショートショートです。通勤時間などすき間にサクッと読めちゃう、恋愛系な超短編ストーリー。
今回のテーマは、「モブキャラの何の変哲もない男子大学生が電車で毎日見掛ける絶世の美女である女子高生に片思いをしていました。ナンパまがいの流れで連絡先の交換は出来た主人公の男子大学生でした。が、主人公は超絶自信がない」お話です。”君は美人高校生、僕はただの大学生の片思い”で身の程知らずな恋にドキドキする一作です。
君は美人高校生、僕はただの大学生の片思い

大学へ向かう電車の中でよく見かける女子高校生に一目ぼれをしていた。
千葉にある公立大学に通っている、僕は春野俊哉という大学三年生の男子学生。
今は読書しているふりをしてながら、黒髪のポニーテールに髪を結っている女子高生をちらちらと見ている。
その子は、ニコニコと仲良さげに同じ学校の制服を着た女の子とお喋りをしていた。
とにかく、背は高くてモデルみたいに脚は細くすらっとしていて細身の彼女に惚れていた。
(あー、一度でいいから話をしてみたい)
僕はそう強く強く願っていた。
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ある日の大学の帰り道、くたびれながら電車に乗った。
(今日は散々だったな~。ゼミでは失敗するし教授には怒られるし)
(あの教授は当たりがきつい時があるな)
そんな不満を考えながら椅子に座った。一息でも付こうと下を向いた。
「ねえ、お兄さん今日は琉莉の事見てこないの?」
「え?」
僕が顔を上げると
「お兄さん、毎朝琉莉の事みてるでしょ?」
女子高生にこんなふうに聞かれると戸惑ってしまった。
「いや、あ、はい。すみません……」
「もう、謝るぐらいなら見ないでよ。あの子気にしてるよ」
「え、どういうこと?彼女とても美人でスタイル良いのに」
「そう思うんだったら、ちゃんとアプローチしなさいよ。このチビ」
チビと言われて一瞬驚いた。僕は身長が176㎝はあって日本人男性の平均身長以上はあると思っていたからだった。
一目ぼれした彼女の事しか見てなかったのは申し訳ないが、友達と思われる目の前の子は身長が低く、チビ呼ばわりされるなんて有り得ないと思った。
「僕はチビじゃないよ」
反論すると
「そんなの知ってるわよ。発破かけてんの」
「え、そうなの?でも僕は相手にしてくれないの目に見えてるし」
「は~本当小さい男ね、どんな名前か聞いてみたくなった!名前は?」
「小さくないよ、身長は君の方が低いから」
「もー、むかつくあのね、度胸の話をしてるの」
「あー、確かにそうなんだよね……」
「メソメソすんな、こっちは二人の仲を取り持とうとしているんだから」
「え、ありがとう!いい子だね、嬉しいな」
「分かった分かった、名前は?」
「あー、ごめん。春野俊哉っていうんだ宜しくね」
「俊哉ね、よろしく言っておくわ。私は奥野りん、あの子は井上琉莉よ。あ、そうだ自分からも琉莉に名前を訊くのよ。ぼんやりさん」
「ありがとう、りんさん」
そう言って琉莉というらしい彼女の友達のりんは電車から降りた。
続き:琉莉と仲良くなりたい
翌朝、いつもと同じ電車に乗った。
今日は彼女は電車に乗っているだろうか?凄くドキドキしている。
(あ、あの子だ、今日こそは話しかけてみるぞ)
「あ、あのー少しいいですか?少し話がしたくて」
僕は思い切って彼女に話しかけた。
ただ、周りの大人の視線が怖かった。二十代の男が女子高生に話しかけているのだから仕方ない。
「え、貴方は……」
彼女は一瞬声を詰まらせた。
「いつもチラチラ見ている人ですよね?なんですか?」
彼女は少し顔を赤らめた。
「あ、それに関してはごめんなさい。ただ貴方が美しくて見てしまっていたんです。良かったら、お友達になってください。お願いします」
「え、美しい?そういうことだったんだー。ありがとうございます」
また彼女は顔を赤らめた。
「……。あ、えっと名前、僕の名前は春野俊哉。良かったら俊哉って呼んで、あ、どう呼んでも大丈夫だから」
僕は凄くてんぱってしまった。
「あ、はい。分かりました、友達ですよね?いいですよ、よろしくお願いします。早速SNSでも交換しますか?あ、私は井上琉莉です」
「あ、ありがとう。嬉しい、凄く嬉しい」
「えっと、なんて呼べばいいかな?やっぱり名字が良いよね?」
「何でも良いですけど、最初は名字の方が良いです」
彼女の言葉を聞いて、ハッとした。凄く馴れ馴れしい事を言ってしまった。
「変なこと聞いたね。ごめんなさい」
「いえ、あ、もう駅着きますよ」
「え、ホントだ。ありがとう」
僕は電車から無事降りれた。そのことよりも連絡先までゲット出来て嬉しかった。
その日以降から僕と琉莉の関係性は凄く親密になった。
出会いから二か月後、僕は琉莉と付き合えた。
続き:とにかく自信がない
あのナンパみたいな出会いから、一年が経ち、あと二か月で二人の初記念日が近づいていた。
にもかかわらずいつまで経っても僕は自信がなかった。
自信がない理由は二つあった。
琉莉が絶世の美女だからと、僕自身が何の変哲もない、モブキャラ過ぎたから。
琉莉は気にしていないみたいな素振りだけど僕は凄くこの状況にへこたれていた。
これから琉莉と会うのに、今にも泣きそうだった。
「こんな彼氏でいいのだろうか?」
僕は独り言を呟いた。
待ち合わせ場所の噴水に着いたら、琉莉が先に来ていた。
「俊、おはよう。ってもうお昼だね私さっき起きたばっかりで」
「あ、そうなんだ。こんにちは、今日先どこ行く?」
「うーん、洋服見たいからあそこかな?」
琉莉は遠くの洋服屋さんを指さした。
「うん、そうだね。今日はどんなの見るの?」
「そうだね~、何が良いかな」
琉莉はそっと僕の手を繋いだ。
その手が温かくて、自分の劣等感に沈んでしまった。
洋服を見ている間、頭の片隅で何故琉莉は付き合ってくれたのか?考えてた。
「俊、浮かない顔してどうしたの?」
「あ、ごめん」
「買い物楽しくない?ここ最近俊は思い悩んでいるみたいだけどどうしたの?」
「楽しくないわけないよ、僕には勿体無いぐらい綺麗な彼女が出来て嬉しいのに……。僕はどうして」
気づいたら、涙がポタポタと落ちていた。
そんな僕の姿を見て見兼ねたのか、琉莉は選んでいた洋服を元の場所に直した。
「あのね俊、私と俊は対等な立場で恋人なの、私の容姿とかを崇拝するのは止めて。綺麗だと思ってくれるのは嬉しいけど、自分も同じように素敵でカッコイイって思って欲しい」
「分かる?このままだと一緒にいるのが辛くなるから、けどそんなので別れるとか嫌」
琉莉は真剣な眼差しで見てきた。
「うん、そうだね気を付けるよ。すぐに思えるかは分からないけど思ってみるよ」
その後のデートは楽しく過ごせた。
数日後、琉莉の高校まで琉莉を迎えに行った。
琉莉が友達と話す様子を見ている男子生徒達の目線が憧れの眼差しだった。
(やっぱり、自信なんて無理かな)
思ったその時だった、琉莉が近づいて来て僕の腕を掴んだ。
「私の彼氏、カッコイイでしょ?」
琉莉がそういうと
「わぁー、本当だったんだ。カッコイイね~羨ましい」
さっきまで琉莉と話していた女子生徒が目をハートマークにさせて言ってきた。
「ありがとう、また明日」
琉莉は僕の腕を掴んだまま、学校を出た。
するとすぐ僕を見て
「ね、俊はカッコイイ彼氏でしょ?」
僕は琉莉の笑顔にまた惚れた。
お終い
※この物語はフィクションです。
