コンビニでの日常

俺は、都市部にある商社に働く、会社員だ。年齢は38歳のスーツ姿がよく似合う男だと思う。
今は近所のコンビニに朝ごはんと珈琲を買いに来ている。
朝が早い為か、余り他の客は居てなかった。
只、一人の女性はここの所よく見かける。
彼女も高給取りなのか、なぜこんなに早朝に居てるかは知らない。
彼女はとても美人で、聡明な印象を受けていた。
眉毛も程よく細く、目は瞳が大きく、目の輪郭はアーモンドアイと一般的に言われるような中央部分がふっくらと広く目頭と目尻がキュッと上がっているような印象を受けた。
あと、鼻と唇の距離が近めで非常にバランスの取れた顔であった。
髪型もくせっけがあるがゆるふぁのミディアムヘアに見える。大人可愛いってこういうことだろうな
俺は思っていた。彼女をコンビニで見かける度に自然とテンションが上がる。
自然と彼女の買い物も何を買っているか気になる。
今日は、玉子サンドとスティックサラダと紅茶らしい。
俺は彼女にくぎ付けだった。
あ、そろそろ電車の出発時間になる、早く出なければ。
会計を済まして、そそくさと出た。
続き:会社で同期と話していたら
出社して、仕事をしてやっと昼ご飯になった。
「今日は来てたのか?」
「何が?」
突然同期の増田に話しかけれられた。
「コンビニで会う美人の高給取りらしき女性のことだよ」
増田はニタニタしながら、俺の肩に手を置いた。
「なんて言う言い方だよ。可愛い大人の女性のことを」
「あ、ごめんごめん。で、居たの?」
「勿論居てたよ、今日も聡明だった」
「あ、そう……。いつ話しかけんだよ」
「え、そんなの考えてなかった」
「えーもったいなー」
増田は大きな声を出した。
そのせいで他の社員がジロジロ見てきた。
「うっせーな、静かにしろよ」
「あ、ごめんごめん」
すると、一つ上の女性先輩がやって来た。
「増田君達うるさい。もったいないって何のこと?」
「あ、飯山先輩こいつ好きな人がいるんです」
増田はヘラヘラしながら言った。
「そうなの?」
飯山先輩は乗り出して聞いてきた。
「もー、ばらすなよ」
俺は増田の体を突いた。
「言いたくなかったらいいわよ」
飯山先輩はきっと遠慮して言ってくれたみたいだった。
「言います、すみません」
俺は口を開いた。
「コンビニで見かける女性を好きになりました」
「あ、そうなの?どんな人なの?」
飯山先輩は神妙そうに聞いてきた。
「オシャレでゆるふぁの髪型で可愛い人です」
「そうなんだ、まあストーカーに間違われないように気を付けて」
「え、ストーカー?」
「え、うん、一歩間違うとそれストーカーにも間違われるよ」
「はぁ、気を付けます」
俺は少ししょぼくれた。
午後からの仕事も終わって、今日は定時で帰れた。
続き:朝になってコンビニへ
朝になって、近所のコンビニに行くともう既に意中の彼女がいた。
(今日も大人可愛い、何を買っているんだろう?)
俺は気になって身体を女性の方に動かした。
「もう止めて貰っていいですか?ストーカーみたいで怖いです」
突然、女性から話をされて驚いた。
「素敵だな、そ、そう思ってつい」
「こ、怖いし迷惑です、昨日も寝れなかったです」
女性の顔は、みるみる青白くなっていった。
「ご、ごめんなさい!そんなつもりは全くなく、ごめんなさい」
「わ、分かって貰ったらもういいです。でも、このコンビニ利用するのを控えて貰っていいですか?」
「あ、はい。できるだけ努力します」
俺は急に怖くなった。そしたら、勝手に口から
「では!」
俺はスタスタと小走りした。
飯山先輩の言ったとおりになって、変な汗が出てきた。
(飯山先輩、こえぇー)
俺はその足で会社に駆け込んだ。
お終い