ログインって

ここにゲームのログインをしようとしている老年の男性がいる。
どんな種類のゲームかというと、RPGだった。
老年男性の白髪は結構ボリュームが生えているが、頭頂部の真ん中のところ以外生えていた。シミは顔に所処にあった。特に目立っていたのは右目の目尻だった。茶色い十円玉ぐらいのシミだった。
腰も痛みがあるのでコルセットを巻いている。おまけに膝も痛いので家の中でも足の部分が三本の杖もついていた。
そんないかにも爺さんの男性が何故RPGをやろうとしているのか?
それには訳があった。
この前、松下という同じぐらいの年の男性友達と話をしていた時にゲームで遊ぶ話をしていたのだった。
松下にテレビゲームをしたことがあるかを聞かれた。
主人公は素直に
「ゲームなんてしたことないよ」
「まあまあ、普通はそうだろう。だが俺は目覚めた」
「ゲーム実況をしている動画を観て配信者の分かりやすい解説にやる気が出てきたんだよ」
「えー、そんなことあるのかい?」
「あったんだよ。あと、配信者の夏希ちゃんの明るさと気さくさにメロメロになってね」
「惚れたのか……。で、どういうゲームなんだ?」
「有名なゲームでRPGに分類するって夏希ちゃんは言ってた」
松下はうる覚えなのか自信なさげに言った。
「今度、お前の家でゲームのやり方見せてくれよ。そうしたら俺もやる気が出るかも」
松下に言ってみた。
「いいぜ、俺の家でゲームの集いだ」
松下はハキハキとした明るい声と表情になった。
続き:ゲームのログインから
数日後、主人公は松下の家に行った。
「お邪魔します。松下さんいますか?」
主人公はインターホン越しに松下と話した。
「おう、来てくれたのか!待ってたぞ」
松下に家に招いて貰った。
部屋に入ると、もうテレビゲームが準備されてた。
「早速、始めよう」
「う、うん。そうだなぁ」
松下がテレビの電源を入れた。
それから、ゲームが始められるようにセットもした。
続き:あれ?なにこれ?
テレビは、電源を入れて、画面も色々セットしたのにプレイ画面にならない。
「なんだこれ?なんでだぁ」
松下は慌ててテレビの配線を見たりした。
「どうしたんだよ。なんで始まらないんだ」
「分からない」
松下は完全に意気消沈しているようだった。
「ごめんな、わからんよ」
「まあ、いいよ。大丈夫だから」
ピロン
松下のスマホが鳴った。
「うん?なんだろう」
スマホの表示を見ると
「あ、母ちゃんがゲームのソフト抜いてたらしい」
「え、そんなことあるの?」
「また、俺がゲーム漬けにならないかと心配で抜き取ってたみたい」
「ああ、そうだったのか」
「『友達が来るのをすっかり忘れてた』って謝ってる」
「ああ、いいよ。でソフトはどこなんだ?」
松下とゲームソフトを探し、無事にRPGで遊べた主人公だった。
主人公がソフト入ってないのを気づかなかった理由を聞くと
「うっかりしてた、俺うっかり屋だから」
お茶目に言われた主人公だった。
お終い
※この物語はフィクションです